『The Absent Author』レビュー・感想|【英語多読・初級】スモールタウンの王道ミステリー

『The Absent Author』書評・感想・レビュー|A to Z Mysteries #1(Ron Roy)

 

『The Absent Author』(Ron Roy)表紙画像(出典:Amazon商品ページ)

 

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「A to Z Mysteries」シリーズとは?

「A to Z Mysteries」シリーズは、アメリカの小さな町を舞台に、3人の子ども探偵たち──ダンク、ジョシュ、ルース・ローズ──が身の回りの謎に挑んでいく英文児童書。読みやすくテンポのよい文章で、推理と日常のワクワクが詰まった物語が展開される。シリーズは大きく2つに分かれている。

A to Z Mysteries:アルファベットのAからZまで、全26冊で構成された初期シリーズ(対象年齢 6~9歳) 🔎 今回の巻
A to Z Mysteries: Super Edition:長めの文章量で、読みごたえのある続編シリーズ(対象年齢 6~9歳

どの巻も1話完結型で、どこから読んでも楽しめる構成になっており、大人の英語学習にもおすすめのシリーズだ。

 

なお、関連シリーズとしては── A to Z Animal Mysteries(動物がテーマのシリーズ)、Calendar Mysteries(本家3人の弟妹が主人公)、Capital Mysteries(ワシントンD.C.を舞台に謎を追う)──などが刊行されている。いずれも文章量や難易度は A to Z 本編と同程度かやや易しめなので、英語多読の次の一冊におすすめだ。

 

 

 

 

『The Absent Author』を読んで

 

物語の展開と見どころ

大好きなミステリー作家が、自分の町にやってくる──。

物語は、主人公Dinkのそんな高揚感から始まる。舞台はコネチカット州の架空の町 Green Lawn。Dinkは親友のJoshとRuth Roseとともに、サイン会の会場となる書店へと急ぐ。

しかし、約束の時間を過ぎても作家は姿を現さない

中止を告げられるサイン会。だが三人は、作家から届いた返信レターの文面に、どこか奇妙な違和感を見出す。

「彼は誘拐されたのではないか?」──書店主から入手した旅程表を手がかりに、子どもたちは消えた作家の足跡を追い始める。

 

 

三人は旅程をたどりながら、小さな町の通りや店を歩き回り、聞き込みを重ね、可能性を一つずつ絞っていく。

本作の魅力は、この「足で追う」感覚にある。

派手なアクションはない。だが、少しずつ情報を集め、議論し、仮説を立てていく過程には、きちんとミステリーの緊張感がある。

児童書らしい平易な英語でありながら、「次は何がわかるだろう」という期待が自然に続いていく構成は見事だ。

 

 

そしてトリックも、児童向けとは思えないほど丁寧に作られている

派手などんでん返しというより、読者の思い込みをそっと利用するオーソドックスなミスリード。物語の中に置かれた要素は決して不自然に隠されているわけではないのに、初読ではその見え方がわずかにずれている。

読み終えたあと、序盤の何気ない描写を思わず見返したくなる──その感覚こそが、この作品の心地よい余韻につながっている。

 

 

さらに印象的なのが、Green Lawnの空気である。

顔なじみの住民がいて、子どもたちが自分の足で町を動き回れる距離感。派手な観光地でも巨大都市でもない、通りや店や宿がゆるやかにつながる小さな共同体。事件はその日常のすぐ隣で起きる。

だからこそ物語はどこか現実の延長のように感じられ、読んでいるうちに、アメリカのスモールタウンの静かな光景がぼんやりと立ち上がってくる。

 

 

英語は読みやすく、会話も自然だ。

アイスやクッキーを食べる場面、ささやかな仕草や動作、話し方の描写など、生活の中で使われる多彩な表現が無理なく入ってくる。

 

英文多読の一冊として親しみやすいのはもちろん、ミステリーとしての楽しさと、小さな町の空気を味わう読書体験の両方が得られる──そのバランスの良さが、本作の大きな魅力である。

 

『The Absent Author』(Ron Roy)表紙画像(出典:Amazon商品ページ)

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本書に出てきた印象的な語句

本書に登場する語句(英単語・表現など)のうち、印象に残ったものを以下にリスト化した。「どんな語彙が出てくるか」の参考程度にご覧いただきたい。

(※訳語は、辞書やネットなどをもとに、本書で使われていた意味に近いものを優先して、個人的に抜粋したものである。正確な意味は、必ずご自身で確認していただきたい。)

 

🔍ミステリー関連の語句

• kidnap:(人を)誘拐する、拉致する
• clue:手がかり
• ransom:身代金
• accomplice:共犯者

 

🔍動作に関する語句

• yank:~をぐいっと引っ張る
• jerk:パッと動く、ぐいっと引く、ぐいっと急に動かす
• thrust:~を強く押す、押し付ける
• poke:突く、つつく
• twitch:ピクッと小さく動く、ピクピク動く、グイッと引く
• wobble:ぐらつく,よろめく、おぼつかない様子で動く
• shoot(体の一部を)素早く動かす
His hand shot up to his bow tie.(彼の手は、パッと蝶ネクタイへと伸びた。)
• wiggle:小刻みに動く
• waggle:~を(小刻みに)左右に揺れ動かす・振る
• bob:上下に揺れる、ひょいと動く
• jiggle:軽く揺らす、小刻みに動かす

• grumble:不平を言う、ブツブツ言う
• groan:うめく、不平を言う
• mutter:(低いはっきりしない声で)つぶやく、ぶつぶつ不平を言う
• mumble:ぶつぶつ言う, つぶやく
• shriek:悲鳴を上げる、キャーと叫ぶ
• chuckle:クスクスと笑う(※静かで控えめな笑い声)

• crunch:バリバリ噛み砕く
• devour:~をむさぼり読む、むさぼり食う
• nibble:かじる、少しずつかじる ※nibble on:クッキーを端から少しずつ、ちびちびと(継続的に)かじっている
• munch:ムシャムシャ食べる ※munch on:クッキーをムシャムシャと(継続的に)食べている

• tear into:~に駆け込む、勢いよく入る
• shoo:~を追い出す、追い払う
• scurry:小走りで行く
• trot:小走りする
• hop:(乗り物に)素早く乗る・降りる
• scoot:急いで行く、さっと移動する
• troop:ぞろぞろ移動する(集団で移動する)

• plop:~をドスンと落とす
• scrape:~をこする、~をこすってキーキーと音を立てる
• bump:~をぶつける、~を(コツンと)当てる
• blush:赤面する、顔を赤らめる
• play tricks on:~にいたずらをする
• blink:まばたきする
• squint:目を細める、片目をつぶる
• ooze:にじみ出る、流れ出る
• smear:染みが付く、汚れる
• give out:(情報を)公表する、明らかにする
• scrawl:(文字を)殴り書きする、走り書きする
• scribble:走り書きする
• dig his elbow (into…):肘を(…に)グイッと突き刺す、肘鉄を食らわせる
• bug:(目が)飛び出る、イライラさせる、モヤモヤさせる
• blot:(吸い取り紙などで)液体を吸い取る、拭き取る
~に染みをつける、汚す
(インクなどの)しみ、汚れ、汚点
⇒※液体が「どこかに移って広がる現象」そのものを指しており、それが「服に残ればシミ(汚れ)」になり、「ナプキンに移れば吸い取り」になるというニュアンス。
• muffle:音をくぐもらせる、防音のために覆う
• drape:布をゆったり垂らす、掛ける
• clam up:黙り込む、口を閉ざす
• wind up:結局~になる、最後には~する羽目になる
• get grounded:外出禁止になる

 

🔍その他の語句

• guinea pig:モルモット
• nook:人目に付かない所、隠れ場所(※居心地の良い片隅)
• dope:間抜けなやつ
• bow tie:蝶ネクタイ
• itinerary:行程表、旅程
• triple-decker:3層、3段
• chocolate cone: チョコレート味のソフトクリームやアイスクリーム
• scoop:(アイスや粉の)ひとすくい
• double-dipper:2段重ねのアイスクリーム(ダブル)
• centipede:ムカデ
• gazette:官報・公報、新聞
• fit:(感情の突然の〕爆発、発作 ※have a fit:ひどく狼狽(ろうばい)する、ひっくり返る、激怒する
• stroller:ベビーカー
• yowl:悲鳴、遠ぼえ、悲鳴を上げる、遠ぼえする
• Adam’s apple:喉仏(のどぼとけ)
• barrette:ヘアクリップ、髪留め
• Yikes!:うわっ、やばっ

• mischievous:いたずらっぽい、わんぱくな
• dinky:小さい、ちっぽけな
• restless:落ち着きのない、そわそわした
• loopy:風変わりな、バカげた
• peculiar:奇妙な、風変わりな、独特の
• nutty:おかしな、いかれた、風変わりな、荒唐無稽な
• spooky:不気味な
• droopy:垂れ下がった、しなだれた
• smudged:汚れた、にじんだ、ぼやけた
• fishy:怪しい,いかがわしい
• peckish:小腹がすいた、ちょっとお腹が減った
• sore:痛い、ヒリヒリする
• fuddy-duddy:時代遅れの、古風な考え方を持つ人、頭の固い人
• timidly:恐る恐る

• short of:~を除けば、~がなければ
• mean business:本気である、真剣だ
• beats me:(自分には)さっぱり分からない、知らん、さあね
• get you out of hot water:(あなたを)苦境から救い出す、厄介な状況から助け出す
• The cat is out of the bag:秘密がばれてしまった

 

『The Absent Author』(Ron Roy)表紙画像(出典:Amazon商品ページ)

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