グレイシャー国立公園「ハイライン・トレイル」を歩く:天空の絶景が続くハイキング

  1. グレイシャー国立公園「ハイライン・トレイル」を写真で仮想ハイキング──全50枚で味わう、壮大な絶景ルート
    1. はじめに
    2. グレイシャー国立公園とハイライン・トレイルについて
    3. 山の中腹を、絶景とともに
    4. 登りすぎない、歩き続けたくなる道
    5. 50枚の写真でたどる、仮想ハイキングの旅
      1. ハイライン・トレイルを歩き出す──岩壁と谷に迎えられて
      2. ただ静かに、トレイルを歩く時間
      3. スモークが立ちこめ、静寂のなかにビッグホーンが現れる
      4. さらに壮大な広がりへ、歩みを進める
      5. 幻想的な谷から、のどかな草原の世界へ
      6. ついに姿を現した山小屋──静寂のひとときが待つ場所へ
      7. 山小屋から終点へ──鹿が現れ、霧に包まれる下り道
    6. その他、ハイライン・トレイルの情報
      1. 所要時間について
      2. ハイキングルートの選び方──体力や時間に合わせて歩く
      3. ハイライン・トレイルの駐車・移動のコツ
      4. 駐車事情と早朝のコツ
      5. 山小屋(Granite Park Chalet)について
    7. グレイシャー国立公園内のその他の見どころ
      1. メニーグレイシャー(Many Glacier)
      2. レイクマクドナルド(Lake McDonald)
      3. ヒドゥンレイク・トレイル(Hidden Lake Trail)
    8. 公園への行き方・その他の注意事項
      1. 行き方
      2. 混雑とアクセス制限について
    9. グレイシャー国立公園に関するおすすめ本
      1. 『地球の歩き方 アメリカの国立公園』(地球の歩き方編集室)
      2. 『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』(地球の歩き方編集室)
      3. 『斧・熊・ロッキー山脈 森で働き、森に暮らす』(クリスティーン バイル著)

グレイシャー国立公園「ハイライン・トレイル」を写真で仮想ハイキング──全50枚で味わう、壮大な絶景ルート

 

はじめに

アメリカの雄大な自然を感じながら、険しすぎないルートで美しいハイキングを楽しみたい──。そんな方にぜひおすすめしたいのが、モンタナ州にある「グレイシャー国立公園(Glacier National Park)」「ハイライン・トレイル(Highline Trail)」だ。

トレイルを歩いているあいだ、広大な山々と谷を見渡す絶景が途切れることなく続いていく。道中では、高山植物の花々や清らかな滝が楽しめ、運がよければビッグホーンシープなどの野生動物に出会えることもある。

高低差が比較的穏やかで、長さのわりに無理なく歩けるのもこのルートの魅力だ。

この記事では、ハイライン・トレイルを50枚の写真でたどりながら、その魅力を“仮想ハイキング”としてお届けする。そのうえで、基本的なルート情報アクセス方法周辺の見どころおすすめ書籍もあわせて案内する。

 

 

グレイシャー国立公園とハイライン・トレイルについて

モンタナ州北部に位置するグレイシャー国立公園(Glacier National Parkは、1910年に設立されたアメリカの代表的な国立公園のひとつ。カナダとの国境地帯に広がる、氷河が刻んだ壮大な自然。その中心に位置するのが、グレイシャー国立公園だ。

氷河に削られた深い谷、透き通った湖、そしてビッグホーンシープやマーモットなどの野生動物が織りなす風景が、訪れる人を魅了してやまない。

園内でも特に人気の高いハイライン・トレイル(Highline Trailは、ローガン・パス(Logan Pass)から稜線沿いを歩き、山小屋(Granite Park Chalet)を経て、ザ・ループ(The Loop)へと下る片道およそ12マイル(約19km)のルート。

標高差は比較的ゆるやかで、全体の所要時間はおよそ6〜8時間が目安とされている。

 

 

山の中腹を、絶景とともに

まずは文章を中心に、ハイライン・トレイル全体の状況や感想を語っていきたい。

トレイルを歩いたのは、8月初旬。ローガン・パス(Logan Pass)の駐車場近くのトレイルヘッドから歩き始めると、すぐに高原のような広がりを見せる雄大な風景が現れる。

その後、しばらく岩壁沿いの狭い歩道を進む。写真で見ると少し不安になるかもしれないが、実際には道幅は充分にあり、安全確保のためのロープも張られているので、壁側を意識して歩けば、思ったほどの怖さは感じない。

そこから山の中腹をたどるようにして進んでいくと、視界の先には遠くの山々が連なる絶景が広がっていく

歩いているあいだずっと、左手には深い谷を見下ろす形となり、右手には岩肌の斜面を見上げながら進む。

谷の向こうにそびえる山々は、遠近感がわからなくなるほどの迫力だった。

道は中腹のラインを長くたどるため、一見すると単調に思えるかもしれない。だが、見る角度や天候によって風景は絶えず表情を変え、美しい花や小さな滝が現れたり、クリアに見えていた遠景にスモークが立ち上ったりと、驚きと感動が途切れない。

僕自身、つい何度も足を止めて写真を撮ってしまい、なかなか前に進めないほどであった。

やがて、雲を見下ろすような高原地帯に差しかかると、目の前にビッグホーンシープの群れが現れた。

まるで人類未踏の高原を夢心地に歩いているかのような気分になり、胸の奥からじわじわと高揚感が湧いてきた。ハイキングの醍醐味とは、まさにこういう瞬間のことを言うのだと思う。

その後も風景はさらに美しさを増し、遠くに霞む山々の雄大さや、そこに差し込む光の荘厳さに目を奪われる。

道の角度も少しずつ谷側に向けて開けていき、童話に出てくるような草原風のエリアも現れ、壮大さの中にどこか”のどかさ”が混じっていく。

そして山小屋(Granite Park Chaletの建物が視界に入りはじめ、最後の登りを歩ききると到着だ。

山小屋のベンチに腰を下ろし、しばし山々を眺めて過ごす時間は、この長い道のりの節目として、静かな満足感を与えてくれるものだった。

ここでこの日の歩みを終える人にとっても、先へと進んでいく人にとっても、この場所にはひとつの達成感と余韻が宿っているように思えた。

山小屋から終点のザ・ループ(The Loopまでは、標高を下げながら進む約2〜3時間の下り道。

ここからは、これまでのような開けた景色は少なくなり、針葉樹に囲まれた森の中を進む静かな区間が続く。所々にスイッチバックの坂道が現れ、足元に注意しながら、くねくねと標高を下げていく感覚だ。

ただ風景が単調なわけではなく、僕が歩いたときには、鹿がすぐ目の前を横切ったり、トレイルがスモークに包まれたり、最後まで自然の変化に満ちた時間を楽しむことができた。

 

 

登りすぎない、歩き続けたくなる道

ハイライン・トレイルの魅力のひとつは、その距離の長さに対して、登りの負荷が比較的少ないことにある。

コースの大半は、山の中腹に沿ってゆるやかに続いており、標高の上下が少ないため、長時間歩くわりには身体的な負担が軽い。息を切らすような急登がほとんどないまま、壮大な稜線の風景をずっと味わうことができる

山小屋(Granite Park Chalet)まで歩く場合、最後の区間にはやや登りがあるが、山歩きに慣れている人であれば無理なく越えられる程度だ。

負荷の高い本格的な登山というよりも、長時間にわたって風景を楽しむ“歩く旅”に近い印象を受けた。

これほどのスケールの自然に、比較的穏やかなルートで身を置けることは、ハイライン・トレイルならではの魅力だろう。

 

 

50枚の写真でたどる、仮想ハイキングの旅

ここからは、ハイライン・トレイル(Highline Trail)の魅力を、50枚の「写真」で伝えたい。実際に僕が歩いたとき(8月初旬)に撮影した写真を、道の流れに沿って時系列順に並べていく。

それぞれの写真に短いキャプションを添えているので、長い道のりを歩いているかのような気持ちで、一枚一枚ゆっくり眺めていただけたら嬉しい

全体を順番に見ていけば、トレイルの風景や雰囲気がなんとなく体に入ってきて、「仮想ハイキング」が楽しめるはずだ。

そして、もしその空気が少しでも気に入ったなら──ぜひ、実際に旅の計画を立ててみていただきたい!

 

 

ハイライン・トレイルを歩き出す──岩壁と谷に迎えられて

Highline Trailの起点、ローガン・パスの登山口に立つ標識。ここから約19kmの稜線ハイキングが始まる。

 

ローガン・パスから歩き出して間もなく、すでにこの広がり。

 

写真では怖そうに見えるが、実際には道幅もあり、思ったほどの緊張感はない。壁側を意識すれば、静かに歩ける。

 

岩壁沿いに進む序盤の区間。右下には安全確保のロープが見える。眼下には深い谷と断崖が広がる。

 

岩壁沿いのスリリングな区間を抜けると、斜面を横切るようにハイキング道が続く。道端には高山植物も多く見られる。

 

グレイシャー国立公園でよく見られるコロンビアジリス。トレイル沿いの岩場にひょっこり姿を現した。

 

斜面の中腹に沿って続くハイライントレイル。こうした風景の中を、数時間にわたって歩いていく。

 

 

ただ静かに、トレイルを歩く時間

視界の先に尾根道が続く。道は山肌をなぞるようにして、谷を見下ろしながらゆるやかに進んでいく。

 

稜線の斜面をたどりながら、トレイルは静かに続いていく。高山植物と段差のある道が歩きのリズムを刻む。

 

高山帯に咲くピンクの花、ファイアウィード(ヤナギラン)。ハイライン・トレイル沿いでもよく見かける代表的な野生花だ。

 

視界が開け、進行方向に広大な谷と山の重なりが現れる。霧がかかり、風景の奥行きがいっそう際立つ。

 

トレイルは、霧に包まれた山腹をなだらかに進む。足元には高山植物が咲き、遠くまで草地の斜面が広がっている。

 

緑の草原の中に、ひっそりと残る雪の塊。このトレイルが高所にあることを改めて実感する。

 

 

スモークが立ちこめ、静寂のなかにビッグホーンが現れる

振り返りの一枚。歩いてきた中腹のトレイルが遠くまで伸びている。

 

さっきまでの景色が、うっすらと煙に包まれ始めた。

 

山肌をかすめるように流れる雲。空の中を歩いているような気分に。

 

谷の奥まで見渡せるようになり、長く続くトレイルの先が再び顔を出す。

 

谷沿いから山側へ。岩が増え、風景が変化していく。

 

道の先に、ビッグホーンシープの姿。見事な角が目を引く雄個体。

 

複数のビッグホーンシープが草地に集まる。角の大きな雄たちの群れ。

 

トレイルは一時的に谷を離れ、山の内側を進んでいく。岩肌の迫力が近づく区間。

 

しばらく内側を進んでいたトレイルが、再び谷の方へと向かいはじめる地点。空も広がりを見せはじめる。

 

ふと左を見下ろすと、遥か下には蛇行する川が光を反射していた。まるで絵のような風景に、思わず息をのむ。

 

谷の下を流れる川。雲の合間から差し込む光が、幻想的な風景をつくり出している。

 

歩いてきた道を振り返ると、陽が差す斜面と雲が織りなす雄大な風景が広がっていた。

 

 

さらに壮大な広がりへ、歩みを進める

なだらかな道が続き、ここからさらに風景が広がっていく。トレイルはまだまだ奥深くへ。

 

この先、トレイルは山の斜面を横切るように続いていく。緩やかな登りがしばらく続く。

 

トレイル左手に現れる大きな谷。陽の光が差し込み、幻想的な風景が広がる。

 

左に谷、右に花咲く斜面と小さな滝──歩いていると、自然の多彩な表情に何度も足が止まる。

 

壺形の小さな花を咲かせる高山植物。グレイシャーの夏に彩りを添える。

 

谷の深みが、空からの光に包まれてゆく。進みながらも、視線はつねに左の風景に吸い寄せられていた。

 

谷の奥をズームで捉えた一枚。沢が流れる谷底と、連なる尾根の緑が美しい。

 

谷の奥に差し込む光。山々のシルエットが際立つ神々しい瞬間。

 

 

幻想的な谷から、のどかな草原の世界へ

雲をまとった山々と、手前に広がる穏やかな草原。

 

山側の斜面に、グレイシャー国立公園を代表する高山植物・ベアグラスが群生。

 

 

草の海に漂うように、白いベアグラスが風に揺れる。雲を裂く光が静かに山々を撫で、時間がゆっくり流れていく。

 

赤く咲き誇るインディアンペイントブラシの群生。グレイシャーの夏を彩る代表的な高山植物のひとつ。

 

左手に見える雄大な山並み。森林と氷河、谷が織りなす典型的なグレイシャーの風景。

 

前方に視界が開け、ハイライン・トレイルが山腹を緩やかに進んでいく。遠くには稜線の起伏が続く。

 

右手には花咲く草地と、ゴツゴツとした岩壁がそびえる山が広がる。夏のハイライン・トレイルならではの美しい風景。

 

草の波に揺れる花、遠くに連なる山々──まるで絵本の中に入ってしまったような風景が、心にじんわりしみこんでくる。

 

 

ついに姿を現した山小屋──静寂のひとときが待つ場所へ

道の先に、山小屋(Granite Park Chalet)が姿を見せる。広がる草原の中、静かな終盤の風景。

 

Granite Park Chalet に到着。石造りの山小屋が、トレイル終盤の風景に落ち着きを与える。

 

Granite Park Chalet から望む広大な山並み。雲と山々の陰影が、時間の流れを静かに映す。

 

 

山小屋から終点へ──鹿が現れ、霧に包まれる下り道

Granite Park Chalet を後にし、ザ・ループへ向けて標高を下げていく道。針葉樹と赤い岩のコントラストが印象的。

 

林道を静かに横切っていく一頭の鹿。

 

雲海の向こうにそびえる山々。

 

さっきまでの陽光が嘘のように、トレイルは濃いスモークに包まれていく。夢の中を歩いているような風景。

 

森の上に、白い雲が静かに漂う。見上げる雲ではなく、見下ろす雲──不思議な感覚でハイキングを続ける。

 

ザ・ループ手前の小さな川。長い下り坂の終盤、最後に現れる癒しの風景。

 

 

その他、ハイライン・トレイルの情報

ここからは、ハイライン・トレイルに関する情報をアトランダムに書いていくので、参考にしていただきたい。

さらに詳しい内容などについては、この記事の最後にもご紹介する『地球の歩き方 アメリカの国立公園』をご覧いただきたい。

また、この記事は、車で移動することを前提に書いているので、アメリカでドライブすることに慣れていない(初めての)方は『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』もおすすめしておきたい。

 

所要時間について

冒頭に書いた所要時間はあくまで歩行時間の目安であり、休憩・写真撮影・昼食などを含めると、実際にはもう少し余裕を見た方がよい。

山小屋(Granite Park Chalet)での休憩や展望時間も含めて、全体で7〜9時間ほどかかる想定で計画するのが現実的だ。

 

ハイキングルートの選び方──体力や時間に合わせて歩く

この記事では、【始点】ローガン・パス(Logan Pass)から、山小屋グラニット・パーク・シャレー(Granite Park Chalet)を経て、【終点】ザ・ループ(The Loop)へと歩く、いわゆる標準ルートを中心に紹介してきた。

ただし、このルートを必ず最後まで歩かなければならないわけではない。

グラニット・パーク・シャレーを目的地とし、そこから同じ道を引き返す往復ルートを選ぶこともできるし、体力や当日の時間配分に応じて、途中の景色の良い地点で折り返しても十分に楽しめる

ハイライントレイルは、道中のどの区間にも開放感あふれる絶景が広がっており、「自分にとってちょうどいい距離」を見つけて歩くことができる懐の深いトレイルだ。

 

ハイライン・トレイルの駐車・移動のコツ

このハイキングコースは、出発点(ローガン・パス)と終点(ザ・ループ)が異なっている。そのため、駐車と移動の方法としては、以下の2つのいずれかを選ぶことになる。

① ローガン・パスに駐車する場合
早朝に出発点(ローガン・パス)のパーキングに車を停め、ハイキングをザ・ループで終えた後、シャトルバスで出発点に戻る方法。

② ザ・ループに駐車する場合(おすすめ)
早朝に終点(ザ・ループ)のパーキングに車を停め、シャトルバスでローガン・パスへ移動してからハイキングを開始する方法。この方法なら、ハイキング終了後に自分の車がすぐそばにあるため、帰りのバスの時刻を気にすることなく、ゆったりと行動できるのが利点だ。

 

駐車事情と早朝のコツ

ローガン・パスの駐車場は、特に夏のピーク時には日の出前後にはすでに満杯になることが多い。現地のアドバイスとしては、6時〜6時半までに現地到着するのが理想との声もある。そのため、駐車方法としては以下の選択肢が有効である。

① ローガン・パスに早朝駐車する(ただし6時前推奨)
② 終点の“ザ・ループ”に駐車し、そこからシャトルで出発点へ向かう
③ Going‑to‑the‑Sun Roadの車両予約・シャトル利用で、駐車ストレスを軽減する

特に②の「ザ・ループ駐車+シャトル移動」は、駐車できないリスクを軽減しつつ、行動の自由度も高い方法なので、とくにおすすめだ。

 

山小屋(Granite Park Chalet)について

Granite Park Chaletは、限られた客室しかない山小屋で、宿泊にはかなり前からの予約が必要だ。そのため、多くのハイカーはこの場所で休憩だけを取り、そのままThe Loopまで歩き通すルートを選んでいる。

よって、ここでは関連情報は割愛するが、宿泊を検討する場合には、『地球の歩き方 アメリカの国立公園』をご参照いただきたい。

 

 

グレイシャー国立公園内のその他の見どころ

グレイシャー国立公園内やその周辺には多くの見どころがある。ここでは、メニーグレイシャーと、レイクマクドナルをほんの少し紹介したい。また、僕自身は行けなくて(その後後悔した・・・)ヒドゥンレイク・トレイルについても触れたい。旅の計画を立てる際の参考にしていただきたい。

 

メニーグレイシャー(Many Glacier)

公園北東部に位置するハイキングの拠点で、1915年開業の歴史的ホテルMany Glacier Hotelが湖畔に佇む。

Grinnell Glacier Trail(※グリネル氷河の展望ポイントに到達する人気ルート)や、Iceberg Lake Trail(※雄大な谷と崖に囲まれたアクアマリンのへと続くルート)など、周辺には目的や体力に応じて選べる多彩なトレイルが揃っており、氷河湖や滝、草原まで風景のスケールが豊か。

滞在者はここを拠点に、じっくり自然を味わいながら歩く旅を楽しめる場所だ。僕自身は前回これらのトレイルを歩く時間がなかったので、次回はぜひこのエリアをハイキングしたいと思っている。

グレイシャー国立公園の人気拠点、Many Glacier Hotelの絶景ロケーション

 

レイクマクドナルド(Lake McDonald)

公園最大の湖で、澄んだ水とカラフルな石が特徴的。カヌーやカヤックで湖上に出れば、静けさと壮大な自然に包まれる体験が待っている。

僕自身もカヌーに乗ったが、陸上では見えなかった風景が広がり、水の上を進む感覚にも深い充足感を感じた。

グレイシャー国立公園の西側玄関口、雄大なLake McDonaldの風景

 

ヒドゥンレイク・トレイル(Hidden Lake Trail)

僕自身は行けなかったのだが、グレイシャー国立公園を再訪する際には、必ず歩きたいのがヒドゥンレイク・トレイルだ。事前の準備段階で見落としていたため、行きそびれてしまったのだ。帰国後に写真を見て、その美しさと比較的短い行程に「行っておけばよかった」と後悔した。よって、自分自身への忘備録も兼ねて、ここで少し触れておきたい。

このトレイルは、今回ご紹介したハイランド・トレイルの出発点であるローガン・パス(Logan Pass)から出発できる別のハイキングトレイルで、湖(Hidden Lake)を見渡せる展望台(Hidden Lake Overlook)まで片道1時間弱展望台から湖畔まで往復約2時間の距離にある。

非常に短い距離なので、特に展望台までなら気軽に行けそうだ。美しい山と湖の風景や、運が良ければマウンテンゴートなどの動物とも出会えるトレイルという。こんな風景が広がっていると思うと、やはりもう一度グレイシャー国立公園を訪れたくなる。

「Hidden Lake Trail」から望む絶景(Canva素材より)

 

 

公園への行き方・その他の注意事項

 

行き方

僕自身はワイオミング州とモンタナ州を巡る旅の一環としてグレイシャー国立公園を訪れたため、この公園だけを目的にアクセスした経験はない。ただし、ガイドブック『地球の歩き方 アメリカの国立公園』では、カリスペル(Kalispellがグレイシャーのゲートシティとして紹介されている。公園までは車で約40という好立地だ。

僕も旅の途中でカリスペルに立ち寄り、小さな繁華街ロデオなどを楽しんだ。スモールタウンの空気感が好きな人には、観光地としてもおすすめしたい町だ。

グレイシャー国立公園の玄関口・カリスペルで出会ったアメリカ西部の魂

 

混雑とアクセス制限について

グレイシャー国立公園は夏の混雑が非常に激しく、近年では一部エリアへのアクセスに事前予約が必要な制度も導入されている。特にGoing-to-the-Sun RoadやMany Glacierといった人気エリアでは、車での入園に「時間指定の通行予約」が必要な場合がある。

年ごとに詳細は変わるため、最新の情報は公式サイトやRecreation.govを必ず確認していただきたい。

グレイシャー国立公園公式サイト(英語)

 

 

グレイシャー国立公園に関するおすすめ本

 

『地球の歩き方 アメリカの国立公園』(地球の歩き方編集室)

本記事では、個人的におすすめしたいグレイシャー国立公園のハイライン・トレイルをメインに、写真を中心として「ポイントのみ」ご紹介したが、様々な詳細情報を知りたい方は、『地球の歩き方 アメリカの国立公園』がおすすめだ。

グレイシャー国立公園の各種地図行き方の詳細、シーズン無料シャトルや有料ツアー様々な見どころハイキングトレイル(本記事で書いた、ハイライン・トレイルや、グリネル氷河、アイスバーグレイクなど)、フィッシングや乗馬、ラフティングなどのアクティビティ宿泊施設などの情報が詳しく書かれている。

当然、アメリカ全土の国立公園の情報が網羅されているため、特に、他の国立公園も巡る方にはぜひとも活用していただきたい一冊だ。

👉 Amazonで見る『地球の歩き方 アメリカの国立公園』

 

 

『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』(地球の歩き方編集室)

また、アメリカでレンタカーの旅を初めてする方には、『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』という本も紹介しておきたい。アメリカ全土でのドライブ旅のモデルコースや、アメリカ渡航・ドライブに必要な手続きやノウハウ(※)が網羅されている。

※ パスポート、ESTA(電子渡航認証システム)、各種保険(海外旅行保険、レンタカーの保険)、出入国手続き、宿泊、国際免許証、レンタカー、トリプルAのロードサービス、交通ルール、給油方法、チップ、トラブル対処法、旅行英会話・英単語、など

👉 Amazonで見る『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』

 

 

『斧・熊・ロッキー山脈 森で働き、森に暮らす』(クリスティーン バイル著)

本書は、ハイキングトレイルを整備する「トレイル整備隊(登山道整備隊)」として、アメリカの国立公園で働いてきた女性が書いたエッセイ。

倒木処理や岩の階段づくり、損壊したトレイルの修復など、登山道整備の現場での日々がリアルに描かれている。著者の生活の様子や、森に根ざして生きる人々の描写もまた、読む楽しさを深めてくれる。

本の前半では、本記事でご紹介した「グレイシャー国立公園」が舞台となっており、ハイライン・トレイルでの作業も描かれている。実際に現地に行く前に、また行った後に、ハイキングトレイルがいかに整備されてきたかを知ると、ハイキングの楽しみが深まるだろう。

👉 Amazonで見る『斧・熊・ロッキー山脈 森で働き、森に暮らす』

 

※この本については、当ブログでも別記事で詳しく紹介している。
よろしければ、以下のリンクからご覧いただきたい。

 

 

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