グランドキャニオンの日帰り冒険!谷を下る絶景ハイキング&セドナ立ち寄り旅【見どころ紹介】

グランドキャニオン(Grand Canyon)の見どころ・行き方

 

はじめに

グランドキャニオン。

世界的に知られるアメリカのこの峡谷を、展望台からただ眺めるだけで帰ってしまうのは、あまりにももったいない

眼下に広がる、圧倒的なスケールの断崖と地層の重なり。その光景に言葉を失う人も多いが、この景色は「見る」だけでなく、「歩いてこそ」心に深く染み込んでくる。

谷底へとつづくトレイルを少しでも歩けば、目線の高さが変わるごとに風景は表情を変え、足元に広がる世界の大きさに息をのむ。乾いた風、土の感触、岩肌のぬくもり、そのすべてを体感することで、「見るグランドキャニオン」から「感じるグランドキャニオン」へと変わっていく

ほんの少しでもいい。谷へと足を踏み入れてみてほしい。
それは、世界遺産の奥行きを、身体で静かに味わう体験になるはずだ。

 

 

谷を下るハイキングを楽しもう!(初心者・日帰りでもおすすめ)

※この記事は、より多くの観光客が訪れる渓谷の南側(サウスリム)に関してのみ記載している。北側のノースリムや西側のグランドキャニオン・ウエストなど、別のエリアに関心のある方は、下に紹介する「地球の歩き方」などの情報源を参照していただきたい。

 

「サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)」の迫力

アメリカのグランドキャニオン(渓谷の南側:サウスリム)の見どころや観光情報は、本やインターネットに山ほどある。よって、ツアーを利用せずに初めてレンタカーで観光する場合、「どこに行って何をするのか」が、逆に(情報が多すぎて)わかりにくいと感じる方も多いのではないだろうか。

 

そこで、今回ピンポイントでおすすめしたいのは、すばり「サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)」というハイキングトレイルだ。

 

まずは、「百聞は一見にしかず」ということで、下のサウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)での写真を見ていただきたい。僕自身がハイキング中に撮った写真だ。絶景を存分に楽しめることがわかっていただけると思う。

 

a. サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)の最初の展望ポイント(Ooh Aah Point)

b. サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)で絶景を満喫できるエリア(左側に見えるトレイルでの景観がすばらしい!)

c. サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)のトレイルを下っていく

d. サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)の Cedar Ridge ポイントに到着

 

 

サウスリムの地図

※出典:© National Park Service, U.S. Department of the Interior. グランドキャニオン国立公園の公式パンフレット「Hiking Into Grand Canyon」より引用。

 

下の説明に入る前に、サウスリムのマップを見てほしい。画面下部の薄緑のエリアが谷を見下ろす観光エリアだ。駐車場やギフトショップ、谷の縁に沿って歩けるリム・トレイル(Rim Trail)いくつもの展望台がある。その上の赤茶のエリアが谷で、画面上部の川や「Phantom Ranch」と書かれた辺りが谷底となっている。

画面真ん中のやや右側に見える “黄色のライン” が今回ご紹介する「サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)」だ。上の写真のキャプションで紹介した、「Ooh Aah Point」や「Cedar Ridge」ポイントと小さく書かれているのが見えるだろう。この辺りの地図を見た上で、下の説明を読んでいただきたい。

👉 グランドキャニオン国立公園のパンフレット(NPS公式PDF一覧)

 

 

より詳しい全体像:「展望台巡り 」と「ハイキング」

ここからは、サウスリムの見どころについて、全体像をもう少し詳しく説明したい。

まず、グランドキャニオン(サウスリム)は大まかに言って、以下の「2つの楽しみ方」がある。「展望台巡り 」「ハイキング」だ。

 

 

①展望台巡り

まずは、谷の上に整備された「リムトレイル(Rim Trail)」にあるいくつかの展望台(マーサーポイントや、デザートビューなど)から絶景を眺め、付近のギフトショップ、博物館などを巡る一般的・初心者向けの楽しみ方だ。

谷を下らずに、舗装された平坦な道を歩きながら、上から谷を眺めるだけなので、誰でも楽しむことができる(※徒歩、もしくは車やシャトルバスで、いくつもの観光ポイントを見て回ることが可能だ)。

手前に見えるリムトレイル(Rim Trail)を歩いて、移り変わる眼下の絶景を楽しむ。

マーサーポイント(Mather Point)からの眺め

 

 

②ハイキング

次に、谷を下ってハイキングする、初心者から上級者向けの楽しみ方だ。

渓谷を「少しだけ下って、戻ってくる」というのが初級~中級レベルの楽しみ方だ。トレイルにいくつかの「ポイント」が設定されているので、自分の体力を考えて、下れるポイントまで行って戻ってくる、という方法が一般的だろう。

さらに、川底まで下る「リム・トゥ・リム」や、広大なバックカントリーをキャンプしながら巡るといった上級者向けのハイキングもあり、実は、グランド・キャニオンでハイキングといっても膨大な楽しみ方があるのだ。

 

 

初心者の方は、まずは、①展望台から谷を眺める「リムトレイル」を巡ってほしい。ビューポイントや時間帯によって、様々な角度の移り変わる景色が楽しめる。車やシャトルバスで観光ポイントまで行き、そこでビュー・ポイントやギフトショップ等を巡る ➡ また別のポイントまで車やシャトルバスで行って観光を楽しむ、という流れだ。

 

しかし! それと共に、②谷下りのハイキングを少しでも体験してほしい(日帰りの場合でも)。初心者の方であっても、①のキャニオンを上から眺めるリムトレイルだけで終わらせるのはもったいない!

キャニオンを少しでも下れば、さらに大迫力の景色が体験できる。気軽に「大冒険感」を味わうことができるのだ。

また、ハイキング好きな方々には言うまでもないことだが、上から風景をただ眺めるのと、ハイキングで土を踏みしめながらじっくり景観を楽しむのとでは、「体感度合い」が全く異なる。ハイキングをすると、体全体で絶景を静かに感じながら大渓谷を満喫することができるはずだ。

 

特に、上に書いた「サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)を、シーダーリッジ(Cedar Ridge)ポイントまで下って、戻ってくる」というコースをおすすめしたい(上の最初の4枚の写真(a~d)参照)。

「サウス・カイバブ・トレイル」は、途中で、「谷の風景を360度(+上下まで)レベルで見まわすことのできる絶景エリア」もあり、大渓谷の迫力を身近に感じることができる。上からの角度だけでは見ることのできない風景が楽しめるのだ。天空の回廊を歩いていくような圧倒的な感覚が体感できる。

「サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail)」の圧倒的な迫力

 

「シーダーリッジ(Cedar Ridge)ポイント」まで、であれば、3-4時間ほどのハイキングで戻ってこれるので、日本で「低山ハイキングができる方」であれば問題ないだろう(※シーダーリッジポイントにはトイレもある)。

服装も、それほど本格的なものを持っていく必要はないと思う(トレイルはよく整備されているが、まあまあ急な斜面が続くため、ハイキングシューズは履いていきたい)。

ただし、夏はあまりにも暑くて、体力を消耗する点に留意していただきたい。もし夏にハイキングするなら、十分な水分と、帽子などの日光対策が「絶対に必要」だ!(他のシーズンでも必要だが、特に夏は「過酷」と言ってもいいほどの暑さなのだ。)

 

なお、サウス・カイバブ・トレイルの起点となるトレイルヘッド周辺のパーキングは閉鎖されているため、ビジターセンターなどから、無料のシャトルバスに乗る必要がある。

 

サウスリムには、よりポピュラーな「ブライト・エンジェル・トレイル(Bright Angel Trail)」というハイキングコースもある(上に貼り付けた地図の左側の “黄色のライン”)。こちらも十分にすばらしいのだが、渓谷の内側の引っ込んだ部分を歩くのがメインとなるため、やや景色のダイナミックさに欠けるように感じている(※逆に、谷の下の方まで下っていく場合は、このトレイルの方がよいとの情報もある)。よって、初心者の日帰りハイキングの場合は、サウス・カイバブ・トレイルをおすすめしておきたい。

 

 

グランドキャニオンへの行き方

グランドキャニオン(サウスリム)への行き方についても、少し触れておきたい(あくまで、ツアーではなく、レンタカーで巡る場合)。

ネットで調べてみたところ、ラスベガスから向かう経路(約4時間-4時間半)についての情報が多かったが、個人的には、アリゾナ州のフェニックス経由で行くのをおすすめしたい(もちろん航空券の値段なども勘案する必要はあるが)。

フェニックス空港からであれば、グランドキャニオンまで車で3時間半で到着できるのと、なんといっても、道中に「セドナ」で観光できる点がすばらしい。

セドナ(Sedona)は本当に美しい街で、ショッピングや食事が楽しめる上に、壮大な景色が満喫できるハイキングコースも多い。せっかくグランドキャニオンに行くなら、ぜひ訪れてほしい場所だ。

セドナでのドライブ

展望エリアからセドナの町を眺める

 

 

セドナについては以下をご覧いただきたい!

 

 

 

今回の内容に関するおすすめ本

 

『地球の歩き方 アメリカの国立公園』(地球の歩き方編集室)

本記事では、個人的におすすめしたいグランドキャニオンの巡り方について、「ポイントのみ」ご紹介したが、様々な詳細情報を知りたい方は、『地球の歩き方 アメリカの国立公園』がおすすめだ。

グランドキャニオン(サウスリム、ノースリム、グランドキャニオン・ウエスト)の各種地図シーズン・気候情報公園内の施設(ビジターセンター、レストラン、店)、無料シャトルいくつものビューポイントの特徴ハイキング(見どころ、地図、注意事項)、各種ツアーなどについて詳しく書かれている。グランドキャニオンに近い他の観光地(レイクパウエルアンテロープキャニオンなど)の情報も掲載されている。

当然、アメリカ全土の国立公園の情報が網羅されているため、特に、他の国立公園も巡る方にはぜひとも活用していただきたい一冊だ。

👉 Amazonで見る『地球の歩き方 アメリカの国立公園』[Kindle/書籍]

 

 

『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』(地球の歩き方編集室)

また、今回オススメした、アメリカでレンタカーの旅を初めてする方には、『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』という本も紹介しておきたい。アメリカ全土でのドライブ旅のモデルコースや、アメリカ渡航・ドライブに必要な手続きやノウハウ(※)が網羅されている。

※ パスポート、ESTA(電子渡航認証システム)、各種保険(海外旅行保険、レンタカーの保険)、出入国手続き、宿泊、国際免許証、レンタカー、トリプルAのロードサービス、交通ルール、給油方法、チップ、トラブル対処法、旅行英会話・英単語、など

👉 Amazonで見る『地球の歩き方 アメリカ・ドライブ』[Kindle/書籍]

 

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