『Wild West』書評・感想・レビュー:【英語多読:初級】アメリカ西部開拓時代の歴史を英語の児童書で学ぼう!

『Wild West』(A Nonfiction Companion to Magic Tree House #10: Ghost Town at Sundown)  /  Mary Pope Osborne著, Natalie Pope Boyce著, Isidre Mones (イラスト)

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『Wild West』とは

本書『Wild West』は、人気児童書シリーズ「Magic Tree House Book」のノンフィクション編(Fact Trackerシリーズ)として刊行された一冊である。

物語の巻『Ghost Town at Sundown』(第10巻)で描かれたアメリカ西部の世界を、実際の歴史資料や図解、写真などを使ってわかりやすく解説する副読本となっている。

ただし、本書は、あくまで「ノンフィクションの独立した読み物」として構成されているため、元の物語を読んでいなくても全く問題ない。

むしろ、アメリカ西部の歴史を、やさしい英語でざっと掴んでみたい大人にこそ、「最初の一冊」としておすすめしたい。

 

本の内容

本書は、アメリカで西部開拓が徐々に進んでいく解説からはじまる。まず、1700年代後半の開拓初期におけるダニエル・ブーンの功績、罠師・猟師・毛皮商人であったマウンテンマンの役割、ゴールドラッシュやホームステッド法で加速した開拓民の西部流入について、それぞれコンパクトに説明する。

そして、ネイティブ・アメリカンの多くの部族の居住地域マップや、生活様式・文化の説明から、インディアン移住法インディアン戦争による先住民の迫害の歴史までが描かれる。

オレゴン・トレイルなどを通って入植者が増えていく経緯や、幌馬車で川や山を越えていく様子、その後の開拓民が新たな生活を築いていき、町となっていく流れも興味深い。当時の写真と共に味わい深く紹介されている。

開拓民といえば、なんといってもカウボーイの存在感が大きいだろう。鉄条網がなかった時代のカウボーイの仕事の様子や、チザム・トレイルなどのルートを通って、数千頭もの牛を、テキサスからカンザスなどに運ぶキャトル・ドライブについて、基本事項がここで学べる。

また、西部劇でもおなじみの保安官アウトローについても、バス・リーブスやワイアット・アープ、ジェシー・ジェイムズの個別の紹介と共に説明される。

西部劇や西部開拓時代に興味のある人で、基本から学びたい人、知識はあるが基礎的な英語で学んでみたい人には、強くおすすめしたい本だ。

この本から初めて、次にこの本に出てくる固有名詞(例:ダニエル・ブーン、オレゴン・トレイル、チザム・トレイルなど)を、本や映画で深掘りしていくことをおすすめしたい。

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※物語の巻『Ghost Town at Sundown』(第10巻)のレビュー記事はこちら。

 

 

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