Fire-Kingと、ロードトリップの途中にあるアメリカ

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Fire-King(ファイヤーキング)で味わうアメリカ──ロードトリップ、ダイナー、コーヒーの時間

 

 

 

古いFire-Kingのカップを眺めていると、アメリカのロードトリップを思い出す。

ダイナーで飲むコーヒーや、旅の途中でふらりと立ち寄るアンティーク屋──今回は、そんなアメリカの空気とともにFire-Kingを味わってみたい。

 

 

☕ Fire-King(ファイヤーキング)とは?

Fire-King(ファイヤーキング)は、アメリカのガラスメーカーAnchor Hockingが1940年代から展開した耐熱ガラス食器のブランド。家庭用のカップや皿などが広く作られたほか、レストランやコーヒーショップなどで使われる丈夫なRestaurant Wareも展開された。

現在も、そのカラフルで親しみやすいデザインや、古きアメリカを感じさせる佇まいが愛され、アンティークショップでもおなじみの存在だ。

 

 

 

ロードトリップの途中に、Fire-King

アメリカをロードトリップしていると、長いドライブの途中で、ふと小さなダイナーに寄りたくなることがある。

目的地ではない。「ちょっとコーヒーでも飲んでいこう」くらいの気分で車を停める。

窓の外には駐車場と道路。ブース席に腰を下ろして、たっぷり注がれたドリップコーヒーを飲む。しばらく休んだら、また車に戻って先へ走る。

僕にとってFire-Kingには、そんなアメリカのロードトリップの途中にある、ささやかで軽やかな時間が宿っている。

 

淡い緑や青、白地に入ったカラフルなプリント。ぽってりとした形にも、渋く構えた重厚さより、どこか気取らない明るさがある。

濃厚な一杯をじっくり吟味するというより、ダイナーで気軽に注がれたコーヒーを飲む。そんな時間がよく似合うカップなのだ

 

Fire-Kingの佇まいがよく似合う、アメリカのローカルなダイナー。長いドライブの途中、こういう店で飲む一杯のコーヒーが妙にうれしい。(撮影:筆者)

 

 

そして旅の途中、小さな町でアンティーク屋を見つける。

「ちょっと寄ってみよう」と車を停め、古い看板や皿や家具のあいだをぶらぶら歩く。

棚の片隅にFire-Kingを見つけたら、それだけで嬉しい。何もなければ、そのまま店を出てまた走ればいい。

 

ダイナーもアンティーク屋も、目的地ではない。でも、こういう「途中」の小さな寄り道が、ロードトリップを妙に楽しくしてくれる。

僕がFire-Kingを好きなのは、カップそのものだけではなく、そんなアメリカの旅の空気まで、この小さな器がまとっているからなのだ

 

ケンタッキー州で立ち寄ったアンティークモール。こういう店を見つけると、つい車を停めたくなる。(撮影:筆者)

 

 

ここからは、僕が持っているFire-Kingと、そんなアメリカの風景に浸れる写真集を紹介していこう。

 

 

 

旅の途中で出会ったFire-King

僕の手元にあるFire-Kingの多くは、旅先のアンティーク屋で見つけたものだ。

棚に並んでいるだけでも、どこかアメリカのロードサイドのダイナーを思わせる愛嬌がある。

けれど、Fire-Kingは眺めるだけでなく、実際に手に取るのも楽しい。ミルクガラスのほどよい厚みと、つるりとなめらかな感触。手に取ると、それだけで少し嬉しくなる。

 

 

19世紀前半のフロンティアマンとして、アメリカの開拓者精神を象徴する存在となったデイビー・クロケットを描いたマグ。西部劇系のマグをずっと探していたところ、ようやくこれに出会った。見つけた瞬間、思わず声が出た。手持ちのFire-Kingで一番好きなマグだ。(撮影:筆者)

 

 

森と山の風景が描かれたFire-Kingのスタッキングマグ。大自然をモチーフにした絵柄がお気に入りだ。(撮影:筆者)

 

 

Fire-Kingの代名詞ともいえる、ジェダイ Dハンドルマグ。僕にとっても一番馴染みがあり、安定の普段使い用マグだ。(撮影:筆者)

 

 

スミレの花を描いたFire-Kingのスタッキングマグ。紫がかった鮮やかな色合いと、素朴な花の絵柄がかわいらしく、愛着のあるマグだ。(撮影:筆者)

 

 

Restaurant Wareのジェダイ Cハンドル エクストラヘビーマグ。業務用として作られた肉厚なカップで、手にすると驚くほどずっしりと重い。なかなか手に入らないカップだが、持ち心地が最高なので、恐る恐る普段使いしている。(撮影:筆者)

 

 

淡い水色が美しいターコイズブルー Dハンドルマグ。1956〜58年の短期間に作られた、Fire-Kingの中でも希少なカラーだ。貴重なのでなかなか普段使いできず、もっぱら観賞用になっている。(撮影:筆者)

 

 

 

 

Fire-Kingでコーヒーを飲みながら、アメリカを旅する

Fire-Kingでコーヒーを飲むなら、そのままアメリカの風景にも浸ってみたい。

そんな時間によく似合うのが、スティーブン・ショアロバート・アダムスの写真集だ。そこには、ロードトリップの途中で出会うような、何気ないアメリカの風景が残されている。

Fire-Kingにコーヒーを注ぎ、ソファでゆっくりページをめくる。自宅にいながら、少しだけアメリカを旅する。そんな時間も、Fire-Kingにはよく似合う。

 

 

 

 

Stephen Shore 『American Surfaces』

道路、モーテル、ダイナーの食事、ガソリンスタンド、町角──『American Surfaces』をめくっていると、1970年代のアメリカを車で旅しているような気分になる。

スティーブン・ショアは、1970年代以降のアメリカにおけるカラー写真を切り拓いた重要な写真家のひとりであり、『American Surfaces』は彼の初期を代表する作品である。

写っているのは、旅の途中で何気なく目にするものばかりだ。車を停めて食事をし、町を眺め、モーテルで一晩を過ごして、また次の場所へ向かう。Fire-Kingにコーヒーを注いでページをめくれば、古いアメリカの道路を走り、途中のダイナーにふらりと立ち寄る──そんな時間を自宅で味わえる。

より風景を中心に、大判の写真でアメリカのロードサイドに浸りたいなら、同じショアの『Uncommon Places』もおすすめだ。

 

コーヒーを片手に、『American Surfaces』のアメリカを眺める。

『American Surfaces』Amazonページ

 

大きな写真でアメリカの風景に浸れる『Uncommon Places』

『Uncommon Places』Amazonページ関連記事

 

 

 

Robert Adams 『Eden』

ガソリンスタンドのそばにあるダイナー、テーブルでコーヒーを飲む人、窓から差し込む光──『Eden』には、1950〜60年代のアメリカの日常が、静かで美しいモノクロ写真として残されている。

ロバート・アダムスは、1970年代の「ニュー・トポグラフィクス」を代表する写真家のひとりであり、アメリカ西部の自然と、人間が作り変えていく風景を長く見つめてきた。

『Eden』で味わえるのは、そんな彼が若い頃に捉えた、ロードサイドの何気ない時間だ。ドライブの途中でダイナーに入り、コーヒーを飲んでひと休みする。Fire-Kingを片手にページをめくれば、半世紀以上前のアメリカの片隅に、ふらりと立ち寄ったような気分になれる。

 

静かなダイナーの時間が流れる『Eden』

『Eden』Amazonページ関連記事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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